鎖骨の痛み・鎖骨周囲の痛み

鎖骨・鎖骨周囲の痛みと針灸療法

鎖骨(鎖骨周囲)の痛みは、直接関係する病気や骨の異常等が見られない場合、鎖骨周囲の「負担過多・疲労」によって引き起こされている可能性があります。
鎖骨と鎖骨に近い第一・第二肋骨には、頭蓋骨や頸椎から、首の前側面を通って複数の細かい筋肉が付着しています。それらの筋肉が、何らかの原因で疲労したり硬くなったりすると、鎖骨周囲に痛みを生じることがあります。
また、首の前側面~鎖骨周囲にかけては、筋肉・血管・リンパ管・神経などが
狭いスペースに入り組んだようになっております。この部分の筋肉の硬化によって、首の前側~鎖骨周囲にかけての血液・リンパ循環の滞りが引き起こされると、痛みの常習化・固定化がすすむこともあります。
従って、鎖骨周囲の痛みを緩解させるには、まず、首の前側面~鎖骨周囲にかけて分布する筋肉をほぐし、滞ってしまった血液・リンパを循環させる必要があります。
また、首の前側面には、神経が細い筋肉のすき間を通り抜けるようになっているので、それらの筋肉が緊張していると、筋肉が神経を締めつけ、ビリッとした痛み(しびれ)を発生させ、鎖骨の上、肩、背中、腕や手の方まで響くこともあります。

#安静時(じっとした状態)での鎖骨の痛み

*座っている状態などで痛むとき。
鎖骨周囲の「負担過多・疲労」によって痛みが引き起こされている可能性があります。前述した通り、鎖骨と鎖骨に近い第一・第二肋骨には、頭蓋骨や頸椎から、首の前側面を通って複数の筋肉が付着しています。起立安静時(じっと座っているなどの状態)では、それらの筋肉が首や頭を支えたり、胸郭を持ち上げるために働いています。長時間に及ぶ座位での作業などで首の疲労がピークに達し、負担が首の前側面の筋肉にも及ぶと、鎖骨周囲部でも、その疲労から筋肉の緊張・硬化が引き起こされ、痛みが引き起こされることがあります。負担や痛みは、特に筋肉が骨に付着する部分で顕著になりやすいため、鎖骨周囲に痛みを感じます。また、例えば、パソコン作業をしている時が最もつらい、家でソファーに深く座ってくつろいでいるときが最もつらいなど、座る場所(イス)・状況の違いが痛みの出現に関わる場合もあります。これは、座っている際の姿勢、例えばデスクワークで前傾ぎみの姿勢で痛みが出やすいか、逆にソファーでやや反り返る体勢で痛みが引き起こされるかなど、身体全体(特に上半身)のバランス、それに伴った首前側面の筋肉の疲労・硬化の状態・範囲などが、痛みが発生しやすい状況の違いに関係すると考えます。

*横になって痛いとき。
 横になっていると痛い場合や、起きていても横になっても痛い場合、いずれも首の前側面から鎖骨周囲につながる筋肉が深く関係していると考えます。例えば、ソファーなど不安定なところで横になる、肘枕でテレビを見る、自分の首に合わない枕を使うなど、横になっていても首に負担のかかる状況では起きているときのような重力の負担がなくても痛みが生じる可能性があります。また、鎖骨周囲の筋肉が常に硬化・緊張したような状態では、横になった際の首の向きなどで緊張が継続し、痛みを感じることもあるでしょう。


*針灸療法のポイント(安静時での鎖骨・鎖骨周囲の痛み)
一番のポイントは、鎖骨周囲につながる筋肉の緊張をゆるめることです。また、痛みに直接関わる部分のみではなく、頭や首を支える首全体や、首の土台となる肩や肩甲骨の周囲なども広めの範囲で状態を把握し、調整する必要があります。特に背中の疲労は姿勢前傾を引き起こし、首の負担が増大する原因となります。それらの状態を総合的に観察し、調整する必要があります。

#動作時の鎖骨の痛み

*首を動かしたときの鎖骨周囲の痛み
上述した首の前側面の筋肉には、首を動かすための役割があります。その際、筋肉は首の動きに応じて収縮と弛緩を行いますが、筋肉が緊張した状態であると、収縮・弛緩がうまく機能せず、引きつれたようにり、痛みを生じることがあります。


*肩を動かしたときの鎖骨周囲の痛み
肩を動かす時、鎖骨や鎖骨周囲には、肩の動きによって様々な力が加わります。例えば、
腕を上げる際、鎖骨周囲には周囲から圧迫されるような力が作用します。また、腕を後ろに引く際、首の前側面から鎖骨周囲にかけて、引っ張られるような力が作用します。それぞれの動きによって、鎖骨周囲部分に力が加わった際、緊張した首前側面の筋肉にさらなる負担を与え、痛みが発生する場合があります。


*肩の動きに関連した痛み(うでが上がらないなど)
鎖骨周囲には肩の動きに関連した筋肉やスジなどが存在しています。それらに何らかの原因で緊張・硬化などがある場合、特にうでを上げようとする際などで、鎖骨周囲の痛みを引き起こすことがあります。また、鎖骨の外端部付近に無理な力が加わっていると、腕を上げようとする際などに骨のつなぎ目の痛みが生じる場合があります。


*針灸療法のポイント(くび・肩の動作時における鎖骨の痛み)
痛みの部位に直接つながる筋肉の緊張を緩めることはもちろん、首や肩の動きに関連する広い範囲に対して状態を把握し、必要ならば施術を加え、首や肩の動きがスムーズになるような施術を行います。首や肩のスムーズな動きができるようになれば、痛みを感じる部分への負担の集中も少なくなりますので、痛みの回復も得られらすいと考えます。

 

#鎖骨付近の神経痛

鎖骨のやや上側を首側から肩関節の方にむけて比較的鋭い痛みが走る場合があります。

鎖骨周囲から肩関節にかけての知覚神経は、側頚部の付根部から肩関節に向かって分布しております。側頚部には細かい筋肉が縦に複数あって、神経はその筋肉と筋肉のすき間を通り抜ける部分が起点となって分布しているため、側頚部の筋肉が緊張してしまうと、神経の起点部を絞め付けて痛みが外に向かって走ることがあります。

*針灸施術のポイント

側頚部における筋肉の緊張をゆるめ、神経の起点部における締め付けを開放させることで、痛みの軽減を目指します。

 

参考:頚腕症候群・胸郭出口症候群について
鎖骨周囲の痛みに加えて、 腕(うで)や手の痛み・シビレ・重だるさや、背中・肩甲骨周囲の痛みなどが気になる場合ですが、 頚腕症候群・胸郭出口症候群と呼ばれる状態になると思います。当院HP内にて解説しておりますので、そちらも併せてご参考ください。
頚椎症・頚腕症候群のページへ

 

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