恥骨痛

恥骨の痛み、恥骨結合炎と針灸

恥骨は骨盤の前面部を形成する左右一対の骨です。下腹部の一番下にその一部を触れることができます。そして、左右の恥骨は前面の中央(へその真下ライン)において、板状の軟骨をはさんでつながっています(恥骨結合)。恥骨の痛みは、この恥骨結合部付近において発生しやすいです。
#恥骨の痛みの種類
恥骨の痛みにはいくつかのタイプが挙げられます。
①恥骨結合部の痛み
前述したように、恥骨は骨盤の一部分です。骨盤は寛骨(腸骨+坐骨+恥骨)と仙骨が輪状につながり構成されています。そして、骨盤において骨を分離できる部分は恥骨結合部と、左右の仙腸関節(仙骨と寛骨の一部である腸骨の接合部)の3カ所のみになります。従って、骨盤のねじれ・傾きなどによる「ゆがみ」の負担は、恥骨結合部と左右の仙腸関節部に伝わり、接合部の「ひずみ」を生み出してしまうことがあります。その「ひずみ」が恥骨結合部で起こってしまった場合、恥骨結合部の痛みにつながる可能性があります。
②筋肉付着部の痛み
恥骨には、腹筋や下半身動作のための重要な筋肉群が付着しています。
それらの筋肉付着部に無理な力が加わったり、使いすぎたりなどして痛めてしまった際、恥骨部の痛みが生じる原因となります。
③その他
恥骨部分を原因とする痛みでは、恥骨部以外にも、ソケイ部(足の付け根)、太もも、下腹部などに放散する痛みを伴うことが多いのも特徴です。


#恥骨の痛みの主な原因
①スポーツ・運動
恥骨部は、スポーツで痛めることも多く、特にサッカーなど、激しい切り返しやキック(特にインサイド)の動作において、大きな負担を受けやすいです。また、股関節の無理なストレッチでも恥骨の筋肉付着部を痛める場合があります。

②姿勢
上半身が前後に傾いた姿勢、重心の左右に偏った姿勢など、バランスの悪い姿勢は、骨盤部における「ひずみ」のもとになり、恥骨結合部付近の痛みの原因となります。
③妊娠・出産と恥骨痛について
妊娠中は、胎児の成長に伴いって骨盤が徐々に開きますので、必然的に恥骨結合部にも負担がかかります。また、恥骨に付着する筋肉にも負担がかかりますので、ソケイ部(足の付け根)、下腹部などにも痛みが放散する場合があります。また、出産の際には骨盤の結合部は全体的に緩み、産後はそれが徐々に回復しますが、回復の途上、育児などで恥骨部の負担が過剰になると、恥骨部の痛みを引き起こす場合があります。


#恥骨痛の針療法
①筋肉
第1に恥骨部に付着する筋肉に問題があれば調整します。太ももの内側の筋肉と、腹筋です。ちなみに太ももの内側の筋肉は複数ありますが、どれも股関節の動きに関係します。

第2は骨盤周囲の筋肉群の調整です。それらの筋肉群は骨盤の安定と股関節の動きに関連しています。もしそれら筋肉群の問題によって、骨盤の安定性に問題が生じれば、骨盤部の「ひずみ」が恥骨結合部に悪影響を与えます。また、股関節の動きに問題が生じた場合には、恥骨に付着する筋肉群へ余計な負担がかかってしまうこともあります。
②姿勢
上半身の姿勢や、重心バランスが前後や左右に偏った状態を改善します。姿勢はいわばその人の身体のクセが現れているものです。そして姿勢は筋肉によって調整されています。ですので身体のクセも筋肉によって現れると言ってもいいと思います。つまり、姿勢の調整には、まず筋肉の調整が必須であると言うことです。


#その他、Q&A
Q:針施術の際は下半身を全部出さなければいけないのですか?
A:恥骨部の痛みの施術ではありますが、恥骨部や下半身をすべて露出させる必要は特にありません。短パンかスパッツなどをはいていただければ、下着は下ろさずに治療することができます。でん部の処置は側臥位(横向き)or伏臥位(腹ばい)の態勢で片方ずつ行います。(着替えをお持ちなければ当方でも用意してございます。)


Q:妊娠中でも針療は可能ですか?
A:妊娠の経過がおおむね安定した状態であれば可能です。

 (下腹部への直接施術はいたしません)


Q:授乳中ですが、針療は可能ですか?
A:可能です。
針療法には薬物のように母乳を通じてお子様に影響を与えるような
副作用はございません。


Q:付き添いの人を連れてきても構いませんか?
A:大丈夫です。どうぞご遠慮なく。


Q:恥骨の部分だけではなく、
骨盤の後ろやおしりの部分にも痛みを感じるのですが、同時に施術可能ですか?
A:よくあることです。また、膝の痛みや違和感を伴う場合もあります。
いずれも同時の施術が可能です。
 

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