膝痛・膝の痛み

膝痛の鍼灸療法

 『膝を治すには、まず股関節を整える』
これが当院の膝痛に対する施術の大原則です。
私は「膝痛」の原因の7割程度は『股関節』にあると考えております。
(ちなみに残りの2割は足関節(足首)で、1割はその他です。)
その理由を説明するために、まず膝関節の特徴について解説します。


膝関節は、基本的に前後の方向に曲げ伸ばす、つまり屈伸運動をするための関節です。ドアを動かす蝶番の構造を思い浮かべてみれば分かりやすいと思います。しかし、下肢(足)全体の動きで考えますと、膝は常に同じ向きのみで屈伸動作をしているわけではありません。状況に合わせて、外側に開いたり、内側に閉じたり、様々な方向で屈伸動作が行われることで、下半身全体として多様な運動を行うことができます。その際、膝頭を外に開いたり、内側に閉じたり、方向を定めるのに大きな役割を占めているのが股関節です。股関節は球状をした大腿骨の先端が、骨盤にあるの受け皿にはまった構造(球構造)の関節ですので、様々な方向に自由に動かすことができます。下半身の運動・動作の際、膝関節は股関節によって定められた方向に屈伸運動を行います。では、もし股関節が硬くなり、股関節の動く範囲が狭くなってしまうと、膝を開いたり、閉じたりする際の角度が十分確保できなくなり、膝の屈伸動作の際に、膝関節に「ねじれ」などの余計な負担が加わることになります。その余計な負担が反復されることで、関節の負担が徐々に増大し、痛みなどの症状を引き起こすことになります。そして股関節の硬化は多く場合、股関節周囲の筋肉が硬くなることで引き起こされます。
 従って、膝痛の施術にはまず股関節周囲の筋肉硬化を調整し、股関節に十分な可動性を確保して、下半身動作の際に、膝に加わる「ねじれ」などの余計な力を軽減させる必要があります。

 また、股関節周囲の筋肉、特に深層の部分が硬くなると、大腿骨がやや外側に開くような状態になります。極端な場合はガニ股、O脚のような状態になります。そうなると膝頭は常にやや外側を向いた状態になります。

(下図:横にスライドさせて下さい)

 

 

 このような、膝が開いた状況が長期化すると、膝につながる太腿(ふともも)の筋肉のバランスが崩れ、太腿の筋肉に引きつりや硬化が生じ、膝の負担や痛みを強めることにもなります。従って、股関節周囲の硬化を調整すると同時に、膝につながる太腿の筋肉の硬化や引きつりを調整し、膝関節への負担を軽減させます。
 更に、足首の関節が固い場合も膝への負担が増す原因になります。その際は「すね」や「ふくらはぎ」の筋肉が硬くなっている場合が多いので、これらを調整して足首の柔軟性を確保する必要があります。
 注:厳密にいえば膝関節はある条件下では前後の屈伸以外にも動きますが、膝痛について理解しやすように蝶番に例えております。

 

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