足底痛・足裏痛

足底筋膜炎・足底腱膜炎などの針灸療法


 #足の裏の役割と痛みとの関連
足の裏は、立位時では身体の全体重を受け、それを地面に伝え支える役割があります。また、歩行や走行の際には、下半身の推進力と体重を地面に伝え、地面の反発力を介して身体を推動させる基点となります。したがって、立位・歩行・走行の際には、足の裏は身体の全体重や、推進力など、非常に大きな負担を受け止めなければならない部分であります。そして何らかの原因でそれらの負担を上手く処理できなかった場合、足の裏の痛みが発生する可能性があります。
  基本的には、足の裏は上部からの負担をうまく処理できるような構造をしております。なので日常、普通に使っていれば痛くなるようなことはほとんどないと思います。また、いつも以上に立ち続けたり、長く歩いたり、走り過ぎたりなど、一時的な足の使い過ぎで、痛くなる場合もあるかもしれませんが、しばらく安静にしながら様子を見て徐々に落ち着いてくるようであれば、それほど問題はないと思います。
ただ、過度に使い過ぎた覚えもないのに足の裏が痛くなってしまったり、一度発生した痛みが安静などで様子を見てもなかなか好転しない場合は、足の裏に余計な負担をかけてしまう要素や、足の裏の回復力を妨害するような要素の存在が考えられます。

そして、それらの要素は足の裏だけの問題とは限りません。足の裏には身体全体の負担が乗ってくると述べましたが、身体全体からの負担が大き過ぎたり、負担の乗り方に大きなブレがあったりすると、足の裏全体、または部分的に大きな負担を受けることになります。それが足の裏にある筋肉や靭帯などの組織を傷め、痛みが発生・慢性化する原因となります。

従って、足底痛好転のポイントは、身体上部からの負担の大きさやブレを調整することであり、それらの要素を無視した場合、痛みがなかなか好転しないという負のスパイラルにおちいる可能性もあります。

そのためには、姿勢保持の役割をする筋肉や、歩行や走行時に動作のコントロールをする筋肉の調整を行う必要があります。そして場合によっては下半身のバランス調整だけではなく、背中や腰などの広い範囲の調整が必要になる場合もあります。


*足の裏の痛む部位と施術のポイント
足の裏の痛みは、痛みを感じる部位により、痛みと関連するポイントを考察する必要があります。
 (1)指の付け根付近の痛み
比較的多いのは足の指の付け根の部分で、例えばつま先立ちをした時に地面に付いている部分のあたりが痛む場合です。
人間の足の裏は、指の付け根部分と踵のやや前の部分を基点としてアーチ状を呈していますが、立ったり歩いたり、足の裏に身体の重さや推力などの「力」のかかる状態では、足指の付け根部分、特に親指の付け根付近に負担が乗りやすくなります。
 足指の付け根付近を訴える人の足指をよく見てみると、普通にしている状態でも、足指がやや浮いている、つまり足指が足の甲の方にやや反り気味の状態になっている事があります。この状態では、立ったり、歩いたりする際に、足指が反り気味な分だけ、裏の付け根部分が地面に強めに当たるような状態となります。付け根部分に付着する筋肉、腱、靭帯などの組織は、足指の反り返りで引き伸ばされるだけではなく、接地の際、強めに圧迫されてしまうため、足指の反り返りは、上述の組織を傷めやすくする要因となってしまいます。また、ハイヒールなど踵を高くするような靴を履いている場合、ちょうど指の付け根部分が反っているような履き方になりますので、歩行の際などに指付け根部分に強めの負担が乗り、足指の付根部分を傷めやすくなってしまいます。

 身体全体におけるバランスの傾向としては、身体の重心がつま先寄りにかかってしまっている場合が多いと思います。この際、骨盤から上(腰・背中)の状態(前傾姿勢など)からの影響を考慮します。
 <施術のポイント>
まず、足の指を反らせる働きをする筋肉は、「すね」の骨の外側にあります。
そして、足裏、指の付け根付近に痛みがある場合、このスネの筋肉が緊張して硬くなっている場合が多いため、ゆるめる必要があります。また、股関節周囲(骨盤)・腰・背中などの状態をチェックして、下半身全体における、負担の「ひずみ」と、身体全体のバランスを調整しておく必要もあります。


 (2)土ふまず部位の痛み
土ふまずには、足の指や、足の裏を屈曲させる(縮める)働きをする筋肉が存在します。土ふまず部分が痛む場合は、それらの筋肉に必要以上の強い負担がかかり、筋肉の緊張・硬化が起こってしまった可能性があります。
 ①歩行・走行の負担による土ふまずの痛み
例えば、歩行・走行の際、推進力の主な発生源となる殿部(お尻)などの筋肉が、慢性的な疲労などで必要な推力を十分に発揮できない場合では、ふくらはぎや足底(土ふまず)などの筋肉を、無意識のうちに通常以上に使って、足りない推進力を補おうとする場合があります。その結果、土ふまずの筋肉に過度の負担がかかって、緊張・硬化を招き、土ふまずの痛みが引き起こされる原因となります。
 <施術のポイント>
殿部(お尻)、太ももなど、歩行・走行の際に、主な推進力を発生させる筋肉の疲労・硬化を解消させ、土ふまずの筋肉の負担を軽減させることが重要です。


 ②下半身バランスの「ひずみ」による土ふまずの痛み
下半身全体のバランスの「ひずみ」によって、足底にかかる負担を分散させる足底アーチに片寄ったな負担がかかることも、土ふまず付近の筋肉や靭帯に過度の負担がかり、土ふまずの痛みが引き起こされる原因となります。股関節の周囲や、すね、ふくらはぎなど、立位・歩行・走行時に、バランスをとったり、方向を定めたりするバランス保持や動作コントロールのための筋肉が、何らかの原因で疲労蓄積・硬化した場合に、下半身バランスの「ひずみ」が生じやすいと考えています。
 <施術のポイント>
下半身全体のバランスの「ひずみ」を調整することが重要です。上記した、股関節周囲や、すね、ふくらはぎなどの筋肉の状態を調べて、硬化している部位などがあれば、それをほぐします。また、必要ならば、背中や腰の状態もチェックして、上半身のアンバランスが下半身に及ばないように調整します。


*その他、Q&A方式にて
Q足の裏に直接針を刺すのですか?
A:足の裏に直接針を刺すことは基本的にありません。

本文でご説明したように、足の裏に至るまでのバランス、足の裏にかかる余計な負担を調整することが施術の一番のポイントであると考えますので、足の裏のみに針の施術を行うのは決して上策ではないと考えております。また、足の裏は皮膚も厚く、針を刺すと特に痛い部位ですので、足の裏に直接針を刺すことは極力避けております。

 

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