前立腺の痛み・不快感

慢性前立腺などによる痛み・不快感と鍼灸


【ご注意ください】
前立腺に起因する痛み・不快感が疑われる場合は、先に医療機関を受診されることをお勧めします。特に発熱や排尿痛・排尿困難などを伴う場合はご注意ください。


前立腺に問題が起きた時、関連部位に痛みや不快感を伴うことがあります。
急性の前立腺炎では高熱や排尿困難を伴うことがあり、その場合は細菌の感染による炎症が強いことが疑われますので医療機関による適切な処置が必要となります。

慢性的な前立腺炎で炎症がそれほど強くない場合、痛みや不快感が主な症状となる場合がほとんどです。
主な不快感・痛み症状の例は以下に挙げられます。
*会陰部・肛門周囲の痛み・不快感(会陰部:肛門の前)
*下腹部・恥骨部・睾丸などの痛み・不快感
*腰部・殿部(おしり)・太ももなどの痛み・不快感
*頻尿・残尿感・尿道の不快感
これらの不快・痛み症状は全身的な健康を脅かすほどではなくても、痛みにより長く立ったり座ったりしていられないケースなどでは、仕事や生活に支障をきたすこともあります。また、有効な手段が見つからず長期化することで不安感が増し、精神的な苦痛が増してしまうことも少なくありません。前立腺自体や全身状態に危急の兆候が見られない場合には、痛み・不快感をなくしていくことを第一に考えて良いと思います。
《前立腺の痛み・不快感に対する針灸療法》
#痛みに対して
前立腺の炎症による痛みについては、前立腺そのものが痛むというよりも前立腺の炎症などが反射的に影響して様々な部位に痛みを発すると思われます。
【会陰部・肛門周囲の痛み・不快感】
会陰部とは肛門の前で、陰嚢付根の部分のことです。この会陰部と肛門周囲の痛み・不快感は前立腺による痛み・違和感で最も特徴的で、鈍い不快な痛み方をするようです。
【会陰部以外の痛み・不快感】
下腹部・恥骨部・睾丸・そけい部・腰部・殿部・大腿内側部などに痛み・不快感が現れる場合があります。一般的な筋肉の痛みとは異なる痛み方をする場合もあるようです。シビレ・ヒリヒリ感・かゆみなどを訴えるケースもあります。

【痛み・不快感に対する針療法】
痛み・不快感を感じる部位に応じて施術します。まずは痛みを感じるそれぞれの部位の状態を調べます。たいていは痛む部位やその周囲の筋肉などに緊張がみられます。ただ、その緊張状態は疲労や負担などによるものとは異なる場合もあります。緊張している部位を確認したらそこに針の施術を加えますが、「ツボ」を的確にとらえることを重視し、なるべく余計な痛みなどを感ないようなソフトな施術を心がけています。会陰部の痛み・不快感に対してですが、
会陰部に針を直接打つことはありません。主に殿部、大腿部、下腹部などの緊張状態を確認し、そこに施術を加えて緊張を緩めることで、会陰部の痛み・不快感の好転を経験しております。
#泌尿器症状に対して
頻尿・残尿感・尿道の不快感などの泌尿器症状に対しては、泌尿器に効果を及ぼしやすい主に下腹部や殿部のツボを選んで施術を加えます。また、上記した痛みに対しての施術や、次に述べる前立腺に対しての施術を併用することで、泌尿器の症状も連動して好転することを経験しております。

#前立腺に対して
前立腺のツボを選び、施術を加えます。また、上記した痛みに対しての施術を行うことによって、骨盤内の血液・リンパ循環が調整され、前立腺の状態好転につながると思われます。
#日常の注意点等
【長時間の座った状態を避ける。】
デスクワーク・自動車での移動等、座った状態が長時間に及ぶと、骨盤内の血液・リンパの循環が悪くなり、前立腺に悪影響する可能性があります。また、腰の疲労や骨盤周囲の物理的圧迫・疲労によって筋肉の緊張が誘発され、痛みや不快感が引き起こされやすくなる可能性もあります。長時間の座った状態を避け、時々立ち上がっての軽い運動や深呼吸などを心がけるようにしましょう。
【冷えに気をつける。】
特に下半身の冷えによって、骨盤内の血液・リンパの循環が悪くなり、前立腺の好転を悪くする可能性がありますので注意が必要です。また、飲食物についても冷たいモノは控えめにしてください。
【過労や緊張・ストレスなどに気をつける。】
過労や精神的緊張・ストレスなどにより、血液・リンパの循環が悪くなったり、筋肉が緊張しやすくなったりすることがあります。肉体的・精神的疲れをため込まないよう心掛け、時々深呼吸するなどして根を詰め過ぎないよう気をつけましょう。
【飲酒や刺激物の過剰摂取に気をつける。】
状態の悪いときは飲酒は控えめにした方が良さそうです。特にビールや酎ハイなどの冷えた酒類は控えた方が良いでしょう。辛いモノなどの刺激物も緊張→痛み・不快感の一因になりますので、過剰摂取に気をつけてください。


#参考:施術の進め方について
 施術のポイントを3段階に分けて解説してみました。
それぞれの段階は大まかな目安であり、実際には状態を考慮しながら3段階の比重を調整つつ、施術を進めます。
【第1段階:痛み・不快感を軽減させる】
前立腺の問題による痛み・不快感の軽減を第一とします。まずは痛み・不快感の存在する部位とその状態の把握、施術を行い、前立腺や泌尿器に対する好転の足がかりを作ります。個人差はあるものの、針の施術は浅め・軽めの刺激が基本になります。
【第2段階:痛み・不快感の「元」にアプローチ】
泌尿器症状と前立腺を改善させるための施術を加えます。それぞれに経験上効果のあるツボに刺激を加えますが、苦痛に感じない程度の刺激を心がけております。
痛み・不快感に対しては、可能であればインナーマッスルなどのやや深層に存在する筋肉の緊張を緩め、更なる軽減とぶり返しの防止を目指します。
【第3段階:全体調整・バランス調整】
この段階になりますと、痛みや不快感はかなり軽減されていると思います。ここでは施術の範囲を広げた更なる調整と、再発の防止に重点が置かれます。主に姿勢と血行がポイントになります。姿勢の調整は骨盤部に対する物理的な負担・圧迫を軽減させるために重要です。特に上半身のバランスに注意して、腰や骨盤部への負担のシワ寄せを防ぎます。例えば、普段から背中の前傾(丸まり)や背中の疲労感などが気になるようでしたら、背中の疲労・硬化を取り除く施術を加えます。血行では、全身的な身体の硬さや、冷えなど、血液の循環に影響を及ぼす要素に対して調整を加えます。
また、この段階になりますと、背中の張りや肩こりを強く自覚するようになることがありますので、必要があればこちらも施術します。
【まとめ】
「施術による状態の変化」を追いかけながら、同時に日常の注意点に気をつけつつ、個人差はあるものの2~3ヶ月程度を目標に段階的に施術をすすめます。
状態の良くない時は週に1回、状態の改善につれて10日~2週~3週に1回という具合に施術の間隔を伸ばしていきます。
最終的に1ヶ月様子を見て痛み・不快感などが気にならなければ一区切りとなります。


#追加・現場より
*会陰部、内股などの痛み・不快感を感じて泌尿器科を受診し、非細菌性の前立腺炎と診断されて来院される方が多くいらっしゃいます。泌尿器症状(前立腺の炎症症状)が強くないorほとんど無ければ、痛み・不快感のみの治療ですので、主に骨盤部の筋緊張調整で予後良好です。
*前立腺針生検を受診後の痛みについて
前立腺針生検を受けたことがきっかけとなって、会陰部やその周囲、太ももなどに痛みが起こり、来院されるケースがあります。まずは生検による傷が修復され、前立腺に大きな問題がないことの確認が前提ですが、神経に損傷がないようならば、骨盤底部・でん部・太ももの緊張が引き起こされてしまったのかもしれません。緊張があれば、それを緩め、痛み・不快感を好転させる施術を行います。

 

#関連項目
前立腺の痛み・不快感に関連することが多い部位についての痛み施術の解説です。前立腺の症状に加えて気になる部分がありましたら、こちらもご参考ください。

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