起床時の腰痛

起床時の腰痛

【例】

◎朝、目が覚めてすぐに腰痛を感じ、起きて動き始めると次第に腰痛を感じなくなってくる。
◎午前中ずっと腰痛を感じ、午後から感じなくなってくる。
◎明け方に腰の痛みで目を覚ます。

 

人間にとって、最も大切な疲労回復の方法は睡眠です。
従って、身体は朝起きたときに最も楽な状態になっていなければならないはずです。
しかし、慢性的な腰痛を抱える人の場合、「朝の時間帯が最もつらい」ことも少なくありません。
中には、朝の時間帯だけ腰が痛く、日中はそれほどでもないという場合すらあります。
また、腰の痛みまでいかなくても、朝の時間帯に腰の重さ、動きにくさを感じる人も多いと思います。

 

ちなみに、私の経験上、起床後の数時間以内は最もギックリ腰が発生しやすい時間帯でもあります。

 

なぜこのように、朝の時間帯に腰痛がつらくなり、腰が動かしにくかったり、ギックリ腰が起きやすくなったりするのでしょうか?

 

なぜなら、起床時の腰痛には「血行」と「冷え」の問題が深く関わっているからです。


*血行の問題
就寝中は、起きて活動している時に比べて、身体の動きが少なくなります。
その結果、睡眠時の血液循環は活動時に比べて全身的に劣ることになりますが、特に疲労した筋肉では、血行の滞りが顕著になります。
その結果、筋肉は疲労回復が遅れ、硬化が進み、起床時には腰の重さや、張り、痛みなどを感じやすくなります。


*冷えの問題
睡眠時には、身体の活動性低下で血行が滞りやすくなりますが、同時に、何らかの原因で特に腰や下半身が冷やされてしまいますと、血行の滞りが増強され、起床時に発生する腰痛を強めることになります。
特に、明け方は、一日の中でも気温が一番下がりますので、この時間帯に全身や腰が冷やされてしまうことが、腰への悪影響を引き起こすと考えられます。
冬はもちろんのこと、春や秋の気温の変化が大きい時期には明け方に冷え込むことによって、特に腰が冷やされやすくなります。
また、夏でも就寝時にクーラーをつけたままにしておくと、時に冷えすぎてしまい、腰を冷やしてしまう場合が多くあります。
そして、クーラーをつけていなくても、裸のまま就寝したり、何も掛けていなかったりしても、明け方に冷やされてしまう場合が多くなります。


*治療
筋肉への血液循環の不良によって起床時の腰痛が起きている場合、治療によって筋肉の疲労・硬化が改善されれば同時に起床時の腰痛が生じなくなることがほとんどです。
また、上記したように、私の経験上、起床後の時間帯はギックリ腰が最も発生しやすい時間帯であり、血行の滞りによる筋肉硬化の仕組みがギックリ腰の発生に深くかかわっていると考えられます。
従いまして、起床後の腰の重さ、張り、動き難(にく)さなどが続くようでしたら、早めの対策・治療をおすすめいたします。


*Q&A
Q1:睡眠中に血行が悪くなって、筋肉が硬くなってしまうのは、
布団が硬すぎるせいでしょうか?


A:布団を変えれば起床時の腰痛が無くなるとは限りません。
確かに、例えば、布団が硬すぎる場合には、下になっている側への物理的な圧迫が強くなるため、睡眠時の血行低下が強くなる可能性が十分に考えられます。
よって、起床時の腰痛が続くという場合には、布団を換えるというのも一つの対応策だと思います。
しかしながら、布団を換えれば起床時の腰痛が全く無くなるとは限りません。
なぜなら、起床時の腰痛は、物理的な圧迫による血行の滞りも一因となっておりますが、日常の疲労などからくる筋肉の硬化がその前提となるからです。
従いまして、いくら柔らかい布団やマットで就寝しても、身体の「硬さ」が以前と同じままでは、期待したような結果となるとは限りません。
従いまして、まずは身体の「硬さ」を改善させて、睡眠時の血流悪化をできるだけ抑えることを優先させればよいと思います。


Q2:以前より朝起きたときの腰の重さ・張りが気になっておりました。
寝ている間に血行が悪くなることが原因とのことですが、それでは朝起きたらすぐに腹筋・背筋などの運動をして血行を良くすればいいのでしょうか?


A:朝起きて腰に重さ・張りを感じている時、腰への負担の大きい運動などはおすすめできません。

更に腰を傷めたり、最悪ギックリ腰の危険性も高まります。
腰痛や腰の重さ・張りの程度にもよりますが、朝、目を覚ましたら、軽い体操やストレッチなどで少しずつ身体を動かしながら、徐々に活動することをおすすめします。
また、ドライヤーの温風などで腰周囲を温めてみてからもいいでしょう。


 《目次》
腰痛と姿勢保持能力
②起床時の腰痛
腰痛と筋肉不足