肩がこるのはどこ?・・・肩の役割と肩こり

皆さんは、
「肩こりを感じている場所を教えて下さい。」
と質問された時、どのように答えますか?
「首の付け根の周り」、「首すじ」、「肩甲骨の内側」や「肩甲骨の上の辺」など、大体これらの部位を「肩こり」を感じる部位として挙げるのではないでしょうか?


ところで、「肩」は医学的(解剖学的)には「肩関節」のことを指します。
肩関節は体幹と上肢(腕)の境目、腕の付け根の部分です。


しかし、私の経験上、「肩がこる」からと言って、
肩関節の部位を「主に肩こりを感じる場所」として挙げる人はあまりいません。
上記したような、肩関節より体幹側(背骨側)に「肩こり」を感じている場合がほとんどです。


「関節としての肩=肩関節」の役割は上肢(腕)を動かすことです。


では、多くの人が「肩こり」を感じる『肩』は、
普段どのような役割をしているのでしょうか?


例えば皆さんが「肩こり」と感じやすい部分の『肩』の役割が、肩関節の役割である「腕」を動かすことだとすると、仕事やスポーツなどで「腕」をよく動して、筋肉をたくさん働かせるような生活を送っている人ばかりが、「肩こり」に悩まされるのでしょうか?


むしろ、「肩こり」になりやすいのは、「同じ姿勢」を長時間続けていたとか、「腕を固定して」長時間作業をしたような場合ではないでしょうか?
パソコン作業などがその主な例でしょう。


つまり、『かた』における「上半身」や「腕」を【支える】という役割が、肩こりの一番の原因になっているのではないでしょうか。


その理由は、腕を動かす時と、姿勢を保持する時の筋肉の働き方の違いによるものです。
腕を上げ下ろししたり、回したり、肩関節を「動かす」という状況では、筋肉は弛緩と収縮、つまり伸び縮みを反復させることで、動作の「動力源」としての役割を果たしています。


そして、同じ姿勢を維持する、手を使った作業のために腕を固定するような状況では、筋肉は状態安定に必要な「収縮状態を持続」させることによって、その役割を果たしています。


この収縮状態が長時間持続されれば、筋肉には徐々に疲労が蓄積され、肩こり感などの不快な症状が出現します。


また、このような状態を連日繰り返すことによって、
疲労の蓄積が慢性的となり、肩コリの症状も慢性化されます。


ただ、当然ながら、「肩がこる」と言われて肩関節の部分を真っ先に思い浮かべる人はあまり多くないでしょう。
「肩こり」を感じやすい場所が肩関節とは一致しないということは常識的に理解できるとして、まずは、「肩こり」の『かた』と腕を動かす関節としての「肩」の機能的な違いに着目する必要があります。


 《もくじ》
はじめに:肩こりを治せたら一人前
②肩がこるのはどこ?・・・「肩」の役割から考える肩こり
肩こりは「気のせい」?
手の届かないコリ:肩こりの根っこ

肩こりと土台