骨折後の痛み

骨折の際、整復・固定などの適切な処置がなされ、
骨折が治癒したにもかかわらず、
骨折部分、もしくはその周囲に痛みが残ってしまうことがあります。
また、
骨折してしまった部分やその周囲において、
筋肉が引きつる、関節が動かしにくいなどの問題が残ることもあります。
そのような場合、
まずは骨折部が正常に治癒しているかどうか整形外科にて診察を受ける必要があります。
しかし、
骨には特に問題ないとなった場合、今度はどのような状態を疑えばよいのか、
そして、
どのように痛みや違和感を除いて、スムーズな動作性を取り戻していけばよいのか、
それぞれ解説いたします。


*筋肉の萎縮・硬化
まず、挙げられるのは骨折した部分とその周囲の筋肉の萎縮・硬化です。
骨折部の固定や、骨折部をかばって生活したために、骨折部やその周囲の筋肉が弱り、やせたり、引きつれたりして、痛みや違和感が引き起こされます。
また、
筋肉の引きつれや痛み・違和感は骨折した部分だけではなく、広い範囲で感じる事もあります。
例えば、
骨折したのは足の甲であるが、
下半身全体の筋肉に引きつれや痛み・違和感を感じることがあるなどです。
骨折部分の固定や骨折部をかばった生活が、骨折部以外の筋肉の負担や活動量低下をまねき、引きつれ・痛み・違和感を生じさせたと思われます。


*関節・靱帯の硬化・動作制限
骨折治療のための固定や痛みにより、しばらくの期間、関節が動かせなかった場合、
固定が外され骨折が治癒した後でも、関節が硬くて動かしにくく、
動かしたり荷重が乗った際に痛みを感じることがあります。
関節を動かせずにいたことによって、
関節を動かす筋肉や、関節を支える靱帯などの組織が硬くなったため、
関節が動かしにくく、関節に痛みや引きつれが生じた可能性があります。
また、
骨折した部位とは直接関係のない離れた部分の関節が痛んだり、動かしにくくなってしまうこともあります。
例えば、
手首の骨を骨折し、骨は治ったのに、
肩が痛み、腕が挙げにくいなどの影響が残っている場合などです。
この場合、骨折した手首をかばったり、
骨折治療中に腕全体を動かすことが少なくなったため
肩関節に影響が出たものと思われます。


*腫れ・浮腫(むくみ)、内出血・変色(色素沈着)
特に骨折治癒後に残る場合ですが、
直接的には骨折した部分を固定したり、動かせなかったりしたため、
骨折部周囲に循環不良が生じたためと思われます。
また、

骨折した部分だけではなく広い範囲で上記の症状が出ることもあります。
例えば、
足の甲を骨折した後、片方の膝から下全体がむくんでしまったり、
鎖骨を骨折した後、その側の手がむくみやすくなったりなど、
末端側から根本側へ、根本側から末端側へなど、様々な形で影響が現れることがあります。


【治療の基本】
骨折後における筋肉・関節の引きつれ・痛み・違和感・動作制限の治療ですが、
骨折部周囲だけではなく、範囲を広げて状態をチェックし、
骨折部と連接・連動する筋肉・関節に引きつれ・硬化・動作制限などがあれば治療を加えます。
なお、
骨折部分より身体の中心側の引きつれ・硬化を優先して治療するようにすると、骨折部周囲の状態は、より改善されやすくなるようです。

例えば、

足の甲の骨折であった場合、
殿部や太ももなどの引きつれ・硬化や、股関節・膝関節の動きなどをチェックし、それらを先に治療してから、
スネやふくらはぎ・足首など、足の甲に近い部位の治療を行っていくなどです。
筋肉やスジの引きつれ・硬化と関節の動作制限を改善させることができれば、
それに伴って骨折後の痛み・違和感もうすらぎます。
また、
治療と並行して徐々にリハビリを行い、
動作性・柔軟性の向上や、筋力の強化を行えば、
痛みや動作制限の再発予防にもつながります。
また、
腫れ・浮腫(むくみ)、内出血・変色の治療についてですが、
基本的に、筋肉・関節の引きつれ・痛み・違和感・動作制限があれば、
その治療を適切に行うことによって、
自然に解決される場合が多いようです。
やはり、症状のある部分だけではなく、
範囲を広げて状態を把握し、根本を治めるよう治療することが大切です。


【リハビリによる痛みの出現・再発】
骨折治療時(固定・安静時)には落ち着いていた痛みが、
リハビリの開始・進行と共に出現することがあります。
これは、リハビリによる筋肉・関節などの負担や疲労が
引き金になったと思われます。
骨折部周囲の筋肉・関節などの直接の負担・疲労のみならず、
広い範囲での負担や疲労について気を配り、
リハビリがスムーズに進行するよう治療することが大切です。


【骨折と同時のねんざや肉離れ】
骨折と同時に骨折した部位に近い関節や筋肉を、ねんざや肉離れで傷めてしまうこともよくあります。

その場合、
骨折治癒後も痛み、腫れ(むくみ)、動作制限などが残りやすい傾向があります。
例えば、
足の甲を骨折した際に、
同時に足首をねんざが起きた場合などが挙げられます。
その際、例えば足の甲の骨折は問題なく治癒しても、
足首のねんざの方に痛みや動かしにくさが残ってしまうことがあります。
その場合でもねんざや肉離れに対応した治療を行うことが可能です。
ねんざ・肉離れの治療についてはこちらのページ↓も参考にしてみてください。→ねんざ・肉離れ

 

【骨折中の痛み】
骨折の治療中で、特に骨折部を固定されている場合は、
固定部周囲や、骨折部とつながりのある部分に
筋肉やスジが引きつる、関節が動かしにくいなどの弊害が現れることがあります。
例えば、 手首の骨を骨折して固定されている場合、
手首の周りが引きつり痛むだけではなく、
肩がこりやすくなる、腕が挙げにくいなどの影響が生じている場合などです。
その場合、
骨折した部分の周囲、骨折した骨や固定された関節につながる筋・スジ、および固定による運動制限や血行停滞による筋肉硬化(コリ)に対して施術することによって症状を緩和させることができます。
なお、

まだ骨折部分が治癒していなくて固定中の場合でも、針治療を行うことは可能です。
もちろん、骨折部に直接針治療を行うことは避けた方がよいですが、
その周囲や、固定・運動制限などによる間接的な負担の大きい部分などに治療を行うことができます。


【圧迫骨折後の痛み】
こちらのページ↓を参考にしてください。
背骨の痛み


【尾骨骨折後の痛み】
こちらのページ↓を参考にしてください。
→尾骨の痛み


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