頚椎症、頚肩腕症、胸郭出口症

《くび、肩、背中の痛み・シビレ、腕の痛み・だるさ、手・指のシビレ》

*頚肩腕症候群

*胸郭出口症候群:斜角筋症候群・過外転症候群(小胸筋症候群)


主に頚部から背中・肩周囲~腕~手指にかけての

痛み・シビレ・重だるさ等の症状が特徴です。


痛みやシビレの原因、原因部位によって
頚椎症・頚肩腕症候群・胸郭出口症候群などと呼び分けられています。


首を動かしたり、首をある角度のままの状態を持続させたりした場合、
腕を挙げたり、肘枕・肘を突いて腕に体重を乗せたりした場合などに
痛みやシビレなどの症状が強くなる場合もあります。


痛みは肩甲骨付近や背中に放散する場合もあります。


長時間のパソコン作業などデスクワークでの疲労、
日常生活やスポーツなどでの一方向ばかりの動作、
ソファーの上など不安定な体勢でのテレビ視聴、休息(肘枕、ごろ寝)、
寝違い等がきっかけとなって発症する場合が多いようです。


腕や手の感覚を支配する神経は、頚椎の部分で脊髄から枝分かれし、
前頚部の鎖骨やや上方の筋肉のすき間を通り抜けてから、
腕の付根→腕の方に向かって走行しています。


頚肩腕症候群、胸郭出口症候群などにより、
肩・腕・手の痛み・重だるさ・シビレなどを訴えている場合の首の状態を調べてみますと、上述した神経の通り道である鎖骨上部の筋肉や、腕の付根の筋肉が緊張し、それが腕に向かう神経を圧迫して、腕の痛みや重だるさ・シビレを引き起こしてしまっている場合が多いようです。


また、肩甲骨付近の背中に向かう神経も同様の場所を通っておりますので、
鎖骨上側の筋緊張による神経圧迫は、肩甲骨内側辺りのズキズキした痛みを引き起こすこともあります。


以上のことから、頚肩腕症候群、胸郭出口症候群などによる、腕や肩甲骨付近の神経痛を改善させるには、
鎖骨の上側で前~側頚部や、腕の付け根の、筋肉の緊張を緩和させることが必要になります。


上記した神経圧迫の原因となる鎖骨上側の筋肉は、
首の動きを調整したり、首の位置を保持したりする働きがあります。
この部位の筋肉はそれほど深いものではありませんので、
針治療の際、細い針で数ミリの浅い刺入でも十分に効果をあげることができます。


①デスクワーク等、腕を使った作業時の『姿勢』と頸肩腕・胸郭出口症候群
デスクワーク等、同じ姿勢での作業を日常的に長時間行う場合、
背中や腰など姿勢保持のための筋肉に慢性的な疲労が蓄積されやすくなります。
これら慢性的な筋肉疲労の蓄積が甚だしくなりますと、
身体の安定した姿勢の保持ができず、上半身は常に前傾した姿勢となり、
その結果、頭も前に傾くので、頭をを支えるくびの筋肉への負担が増すことになります。
頭は本来、主にくびの後側の筋肉によって支えられているのですが、
頭の前傾が強くなると、くび後側の筋肉では支えきれなくなり、
くびの側面や前側の筋肉へも負担が及んでしまいます。
くびの側面や前側の筋肉は本来、頭の重さを常に支えられるほど強くはありませんので、その疲労は程なくピークとなり、くび側面や前面の筋肉まで緊張してしまいます。
その結果、
くびの前面・側面の緊張した筋肉が、腕や肩甲骨周辺に向かう神経を絞め付けるように圧迫して、腕や肩甲骨周囲の痛み・重だるさ・シビレなどを引き起こすことになります。
以上のことから
頚肩腕症候群、胸郭出口症候群などによる、腕や肩甲骨付近の神経痛を改善させるには、
まずは鎖骨の上側で前~側頚部の筋緊張を緩和させることが必要になります。
この部位の筋肉はそれほど深いものではありませんので、
針治療の際、数ミリの浅い刺入でも十分に効果をあげることができます。
同時に、
くび後側の筋肉を治療して、頭の重さをしっかり支えられるように調整する必要があります。
但し、
くびの筋肉の調整は前面→側面→後面の順に行う必要があります。
その理由は、
例えば、くび後側の筋肉をいきなり緩めてしまうと、逆に首をうまく支えられなくなって、
症状をより悪化させてしまう可能性があるからです。
つまり、くび前・側面の筋肉の緊張は、疲労蓄積の結果ではありますけれども、同時にくび全体の筋肉で協力して何とか頭を支えるために頑張っているという二面的なの要因の結果であるためです。


従って、首の全体の筋肉が固まって、神経圧迫痛の兆候が見られる場合に、普通の肩こり同様、首の筋肉をすべてほぐそうとするのはあまりおすすめできません。
慎重かつ手順を踏んだ治療が必要です。
まずは前面及び側面の筋肉の状態を改善させ、神経の直接的な圧迫を取り除き、しびれや重だるさなどの症状を改善させ、
同時にくびを補助的に支えられるような状態を保持しつつ、
それからくび後側の筋肉を改善させて、頭の重さををしっかりと支えられるようにします。
また、
姿勢を支えるための筋肉(背中や腰)の硬化をゆるめ、
前傾姿勢を改善させ、
くびに過度の負担がかからないようにして、
症状の軽減や再発予防をします。


②デスクワーク等、腕を使った作業による『負担』と頚肩腕・胸郭出口症
頸肩腕症候群や胸郭出口症候群などで
肩や腕の症状(痛み・重だるさ・シビレ等)を訴える場合の特徴として、
パソコン作業などでのデスクワーク等、腕を使った作業を日常的に長時間行うことが多い人では、
肩関節(腕付根)~上腕(二の腕)~前腕の筋肉が、緊張して硬くなっている場合が多いことがあげられます。


これら肩(腕の付根)~上腕(二の腕)~前腕の筋肉は、
例えばパソコン作業の際にはキーボードやマウスを使用するために、腕をやや前方に挙げた状態で持続的に固定することになりますので、その際に働く肩周囲や腕の筋肉には常に負担がかかることになります。
結果、
これら肩や腕の筋肉に疲労が蓄積し、筋肉が硬化して、
作業の際に腕をやや前方に挙げて支えるという働きが十分に発揮できなくなる可能性があります。
その際、支えきれなくなった作業時の負担(腕の重さ)は胸郭部に転嫁され、
構造上、胸郭部を頚椎よりぶら下げている前頚部(くび前面)の筋肉に、通常よりも過剰にかかってしまうことになります。
しかし、
これら前頚部の筋肉は本来、胸郭の重さをすべて支えるためのものではないため、

上述のような状況の際には、くびの前・側面の筋肉に疲労が蓄積され、硬化を招きやすくなります。
結果、

最初に述べたように、これら前・側頚部の筋肉はちょうど腕につながる神経の通り道になりますので、腕や背中の痛み・重だるさ・シビレ等を引き起こすことになります。
以上のことから
頚肩腕症候群や胸郭出口症候群の治療を行う際には、
前頚部の筋肉のみならず、

肩(腕の付根)~上腕(二の腕)~前腕の筋肉の状態をチェックして、
筋肉の疲労・硬化が認められる際には、これらの状態も併せて改善させて、
前・側頚部の筋肉への負担を軽減させていく必要があります。
また、場合によっては上胸部の筋肉への治療も加えます。


なお、肩関節周囲(腕の付根)や上腕・前腕の状態を改善させておくと、
「治療効果の持続」および「再発の予防」に有効であると実感しています。


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