肩甲骨・背中の痛み

当院において、肩甲骨周囲の痛みは多くみられる症状の一つです。ただ、肩甲骨・肩甲骨周囲の痛みと言いましても、例えば肩甲骨の内側か外側かなど、痛む部位の違いや、痛みが発生した時や、痛みを感じる時の状況の違いなどによって、痛みの原因・関連要因などに違いがあるので注意が必要です。
肩甲骨は両肩の後ろで、背骨の左右にある逆三角形の形をした骨です。肩甲骨の外端部では上腕骨と「肩関節」を構成しています。肩甲骨に求められる機能で、重要なものは何かと言いますと、それは肩甲骨の①『可動性』と②『安定性』です。
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①肩甲骨の『可動性』
肩甲骨は、単純に例えますと、クレーン車の台座部分に相当する役割を担っています。クレーンのアームを「腕」とした場合、肩甲骨はアームの台座のように、旋回して方向を定める役割を担います。つまり、腕(肩関節)を動かす際に、肩甲骨がクレーンの台座のように動かなければ、腕(肩関節)の動く範囲は、大幅に制限されてしまいます。
②肩甲骨の『安定性』
また、肩甲骨の「安定性(固定性)」も肩甲骨に求められる重要な役割のひとつです。クレーンの台座・土台部分によって、アームや荷物の重量が支えられるように、肩甲骨も腕(肩関節)の位置固定と動作安定のために、重要な役割を担っています。
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上記した、肩甲骨の『可動性』と『安定性』の役割を担うために、肩甲骨には多様な筋肉が付着しています。そして、それらの筋肉が協調して肩甲骨の複雑な動きや安定性を生み出しています。また、同時に、それらの筋は肩甲骨自体の重さを支持する役割も担います。ところが、それらの筋肉は、肩の機能にとって重要な役割を担っている一方、腕を多用するなどの状況では、負担を受け続けやすいという弱点があります。また、個々の筋肉自体もあまり大きくはないので、負担が過度となった状態においては疲労が蓄積されやすいため、筋肉の硬化を招きやすい場所でもあります。
そのため、肩甲骨・肩甲骨周囲の痛みはそれら肩甲骨の動きや支持を担う筋肉が、肩甲骨に付着する部分で発生している場合が一番多いと思います。そして、どの筋肉に異常があるかによって、肩甲骨の①内側そして②外側など、痛む部位に異なりが生じます。


①肩甲骨内側の痛み

 肩甲骨の内側には、肩甲骨を動かすのと同時に、肩甲骨を支える筋肉が付着しています。例えばパソコンなど、腕を固定して使う作業が長時間続けられた際には、疲労がたまりやすく、疲労の蓄積が筋肉の硬化を生み出し、肩甲骨の筋肉付着部に過大な負担がかけられ続けた結果、痛みが生じ易くなると考えます。 施術は肩甲骨の内側に付着する筋肉を中心に疲労蓄積・硬化の進んだ部分の状態をほぐすよう行います。肩甲骨を直接支える以外にも、くび・背中などの全体の姿勢を支える筋肉の調整も行うとよいでしょう。また、肩甲骨の裏側部分の硬化にも注意が必要です。→参考ページ:肩こりの根っこ

*肩甲骨内側の「筋違い」と「肉離れ」

*肩甲骨内側の「すじ違い」、「肉離れ」
肩甲骨内側の筋肉を、肩を動かした時などに肉離れのように「グキッ」と痛めてしまうこともあります。さらに、寝違いのように起床時から痛み出す場合もあります。肩甲骨の内側、やや下の辺を痛める場合が多いようです。いずれも普段からの負担・疲労が大きく、周囲を含めた筋肉が硬化した状態が続いている場合に生じやすいので、肩甲骨の内側部位には疲れをためすぎないよう、注意が必要です。施術ですが、痛みを発している部位(筋肉)は、炎症を起こしている場合がありますので、いきなり刺激を加えるのは避けます。まずは、痛む部位の周囲の緊張(硬さ)を緩める必要があります。くび、背中、肩関節(腕)の動きに関連する筋肉、くびや背中などの姿勢を支え、肩甲骨の位置を安定させる筋肉など状態に応じて施術を加え、肩甲骨内側の痛みが変化しているかどうか、確認をしながら施術を進めます。

*肩甲骨内側の神経痛

その他、肩甲骨の内側は、神経痛によって、ズキズキと痛むこともあります。
その場合、痛みは肩甲骨の内側に沿って痛みが広がるか、肩甲骨の内側やや下側に痛みが集中することが多いようです。 施術は、神経痛の元となる部分を治療する必要があります。痛む部位に直接治療を加えても、効果は出ないか、一時的なものとなる可能性が高いと思います。なお、この部分の神経痛の施術ポイントにつきましては頚腕症候群の項目をご覧ください。


②肩甲骨外側の痛み

肩甲骨の外側には、腕(肩関節)を動かし、その位置を安定させる筋肉が付着しています。これらの筋肉は、腕を用いた作業や、スポーツなどの際には、常に負担がかかりやすく、また構造的に血液循環があまり良くない場所なので、
疲労が慢性的に蓄積し、回復が滞りやすいという特徴があります。その結果、肩甲骨の外側に痛みが生じることになります。 施術は、肩関節~肩甲骨後面の硬さをほぐし、また、肩甲骨の内側や背中、肩周囲や腕など、やや広い範囲の状態を緩める間接的な処置も必要と考えています。

 

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