坐骨・内股の痛み

坐骨は、骨盤の一部を形成する骨で、
坐骨の下端部分は、やや尖ったような形状になっており、
座った際、下端部分が椅子・床などに当たることから

坐骨と名付けられました。
お尻の下端で、太もも裏側の付根部分が大体の位置です。
当院では、この坐骨部分の痛みを訴えて来院される場合があります。
痛みは、お尻の下、太もも裏の付根部分であったり、
太ももの内側や裏側~膝の裏にかけての痛みであったりもします。
また、太もも裏の付根部分でも、
ちょうど中央部が痛むこともあれば、
内側・外側寄りが痛むこともあります。
加えて、内股付根の痛みも多く経験する症状ですので、
あわせて解説していきます。


痛みのきっかけも様々です。
はっきりした例としては、
尻もちをついて坐骨の部分を強く打ちつけてしまったり、
転びそうになって足を踏ん張ったことだったり、
慣れない距離やペースで歩いたり、走ったり、
山登りやテニスなどのレジャー・スポーツで下半身を酷使したり、
硬い椅子や床・地面などに長時間座り続けていたりなど…
もちろん、特に思い当たるきっかけもなく発症する場合もありますので、
この点についても解説していきたいと思います。


≪坐骨周囲・内股の痛みの原因≫
坐骨は骨盤の一部を形成しています。
骨盤には股関節があり、歩行など、下半身の様々な動きの基点となっています。
股関節の持つ最大の特徴は、前後・内外・回転など、様々な方向への運動性です。
その広範囲の動きに対応すべく、骨盤周囲には多様な筋肉があり、
状況に応じて、それぞれが協調しながら働いています。
そして、坐骨にも、股関節や下半身の動きを担う筋肉が
複数付着し、それぞれの動きや支持の基点となっています。
坐骨部・太もも裏・内股など、坐骨周囲の痛みには、これらの筋肉が深く関わっている可能性があります。
その場合、坐骨の外側や内側、時には内股の付け根部分など、
その人によって、痛む部位の個人差があるのは、
問題のある筋肉の、坐骨に付着する部分が坐骨の内側・外側寄りかなど、

その位置の違いによるためです。
そのため、治療は問題のある筋肉を探し出し、
その状態を改善させることが基本となります。
ところが、坐骨の周囲において、
ある単独の筋肉のみが問題を起こしている場合は少ないと思います。
例えば、
股関節や下半身の動作の際、複数の筋肉が協調して働くように、
坐骨周囲の筋肉は、複数がまとまって緊張・硬化などの問題を起こすことが多くみられます。
したがって、坐骨の周囲を治療する際は、緊張・硬化などを起こしている筋肉全体を治療しつつ、その中で痛みに最も関わりのありそうな筋肉を特定し、問題解決への糸口とすることが重要です。

 

ところで、坐骨周囲の痛みにつながる筋肉の問題は、どのように発生するのか説明しましょう。
まず、筋肉の基本的な役割りは、大きくふたつに分けられます。
①動作を生み出す働き。
②姿勢の保持や関節の動きを制御させる働き。
坐骨部分ではこれらの役割りがどのように痛みと関わるのでしょうか?


①動作を生み出す働き
坐骨周囲の痛みに関連する筋肉は、股関節や下肢(足)の動きに深く関与していますので、主に筋肉の使い過ぎや、過度の負担によって坐骨周囲・内股の筋肉の緊張・硬化や、時に肉離れのような問題が起こります。
この際、なぜ坐骨周囲の痛みが起こったのか、きっかけがはっきりしている場合が多いようです。


②姿勢の保持や関節の動きを制御する働き
これは特に思い当たる原因(きっかけ)がなく坐骨周囲の痛みが発生した場合に関連しやすい要素であると思います。
その理由は、

まず、坐骨部分に付着する筋肉は、骨盤や股関節の安定のために働きます。
これは、動作の最中であったり、逆に立っていたり、座っていたりと、下半身の動作がない状態でも同様です。
例えば、

長時間にわたり、同じ姿勢や動作を繰り返して行っていると、それらを支持したり、制御したりするために、坐骨部分の筋肉への負担が積み重なり、疲労が蓄積され、坐骨周囲の筋肉の緊張・硬化が起こりやすくなります。
結果、これがきっかけとなり、痛みが発生することも考えられます。
また、日常的に長時間の座位を続けている場合、
坐骨周囲や太ももの裏は、自身の体重による圧迫で血行が悪化しやすく、
それが筋肉の緊張・硬化を助長するという一面もあると思います。
以上のような状態が無意識的に進行し、
坐骨周囲の痛みとして問題が表面化する場合が非常に多いようです。
更に、その際の姿勢(特に上半身)との関係も無視することはできません。
例えば、座っている時、デスクワークなどで上半身の姿勢が前傾状態にある場合、坐骨周囲の筋肉には余計に負担がかかることもあります。
また、上半身の姿勢を支える筋肉が疲労している場合、その分の負担がそのまま坐骨周囲にまでかかりますので、治療の際には上半身の姿勢にも注意が必要です。
≪治療≫
坐骨周囲痛の針灸治療に際し、お尻全体を直接的に露出させる必要は特にありません。
坐骨に直接つながる筋肉の状態改善を主な目標にしておりますが、
実際には、骨盤・股関節の安定、動きの改善を目的に、殿部(おしり)全体の状態を調べ、全体の状態改善につながるよう治療を加えます。
(ズボンを半分ずらす程度の露出でお願いしております。)
通常は側臥位(横向き)or伏臥位(腹ばい)の態勢で、お尻・太ももなどの治療を片方ずつ行います。
また、腰や背中などのバランスも整うように、適宜治療を加えます。
そして、
太ももや膝の周囲などの状態に注意しながら、必要であれば治療を加えます。
(同時に膝周囲の痛みや違和感も伴う場合が多いので)


≪ご来院に際して≫
*スムーズな治療を行うため、
 ゆったりめの短パンなどをご用意いただきますと助かります。
(お忘れの場合は当方でお貸しいたします。)
*治療室は個室になっております。
*治療は院長が行いますが、
 治療院には常に院長の身内の者(女性)がおります。
*付き添い、立ち会いの方ご同伴を希望の方は遠慮なくどうぞ。
#関連項目
→恥骨痛・恥骨結合炎
股関節の痛み
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