仙骨の痛み

仙骨は骨盤の後側・中央部にある逆三角形の骨で、だいたい手のひらくらいの大きさです。
仙骨は言わば背骨の「土台」に相当し、仙骨上部より上半身を支える「柱」となる脊椎(背骨)が積み上がります。
仙骨と仙骨周囲の痛みにはいくつかの特徴があります。
まずは痛む場所です。

仙骨の後側(背側)・外縁部・仙骨の下などで、それぞれ痛みをもたらす要因が異なります。
なお、仙腸関節の痛みについてはこちらをご覧ください。
尾骨の痛みについてはこちらをご覧ください。
【目次】
①仙骨の後側(背側)の痛み
②仙骨の外縁部と仙骨の奥の痛み
③仙骨下部の痛み(尾骨の痛みはこちら)
④仙腸関節部の痛み→こちら


①仙骨の後側(背側)の痛み
仙骨の後ろ側は、上半身を支える背筋の起点(付着部)であり、そこは上半身からの負担がかかりやすい場所です。
長い時間、前傾した姿勢でいることがあったり、逆に普段から背中、腰が反り気味だったり、重いものを持ち上げるなど、背筋への負担が過剰であった場合などの際、仙骨後面の筋肉付着部に対する負担が過剰となって、痛みが引き起こされることがあります。
そして、上半身をお辞儀のように前傾させた際、背中・腰を後ろに反らせた際、床などの低い場所から物を持ち上げようとした際、などに痛みを感じやすいです。
極端な場合は首を前に傾けただけでも仙骨部に痛みを感じる事もあります。
また、長い時間じっと座っていられないなどの場合もあります。
治療は、背筋の状態をチェックして、疲労や硬化が強いようであれば、その改善を目指します。
背中の筋肉の緊張がゆるめば仙骨後面の付着部への負担のシワ寄せが軽減され、痛みは改善されます。
ちなみに、よく背筋が弱っているのではないかと考えて、背筋を鍛える運動をして余計悪くしてしまう場合がありますが、疲労が蓄積しているところに運動で背筋にさらなる負担をかけてしまってはあまり意味がないどころか、逆効果になることもあります。
順番としては、筋肉疲労の改善が第一で、筋肉強化は次の段階に持ってくればよいのです。

②仙骨の外縁部と仙骨の奥の痛み
仙骨の外縁部分の痛みの多くは、殿部(おしり)の筋肉の問題により発生します。
それは、仙骨の外縁部には、殿部(おしり)の筋肉が付着しているためです。
そして、その筋肉が負担過度・疲労蓄積によって緊張・硬化などの問題を生じると、仙骨外縁の筋付着部が負担過剰となり、痛みが引き起こされます。
また、仙骨外縁部に付着する筋肉には、表層の筋肉と深層の筋肉があり、それぞれの状態を確認しながら治療する必要があります。


なお、痛みは仙骨の外縁部だけではなく、奥側(腹側)に感じることがありますが、それは仙骨外縁に付着する殿部の深層部の筋肉は、仙骨の奥側(腹側)に入り込むようにして付着しているので、その奥側が痛むことがあります。


治療に際して、殿部は厚い筋肉層に覆われているため、深い部分の状態まで把握しながら的確な治療を行うのには細心の技術を必要とします。

③仙骨下部の痛み
仙骨下部は幅も狭くなっているため、中央部の痛みとして感じやすいようです。
尾骨に近いため、尾骨痛と区別が付きにくかったり、尾骨部まで痛みがつながる場合が多いようです。

 

治療は、まず、痛みがやや右or左寄りであるのかをチェックします。
(こまかく調べれば大体の場合はやや右or左寄りになっています。)
右or左寄りであることが確認できれば、痛む側の殿部の筋肉(特にインナーマッスル)の硬さなどの状態を確認し、まずはそれを改善させるよう治療を加えます。
殿部の筋肉の負担・疲労が大きかったり、蓄積されたりすると、殿部の筋肉、特にインナーマッスルと呼ばれる深層部分が硬化し、それの付着する仙骨下端付近が炎症・痛みを起こしやすくなるためです。

 

また、仙骨下部が座面に圧迫され続けたため、その部分が炎症を起こすような状態で痛むこともあります。
その場合は痛みに左右差があまりなく、ほぼ中央の痛みとして感じることが多いです。

普段の座る姿勢が仙骨を丸め込むような姿勢になり、座面への慢性的な圧迫を受けると痛みが生じやすくなります。
また、突発的には、硬い椅子や床など硬い座面に長時間座り続けたとか、しりもちの後などに起こることがあります。

 

治療はまず仙骨下部に対する圧迫・負担を軽減させるよう、腰や背中などの姿勢を支える筋肉に対して行います。
筋肉の緊張を緩め、硬さをほぐし、疲労を改善させることで仙骨に対する刺激を最小におさえ、痛みや炎症を改善させます。
主に尾骨に痛みを感じる場合は尾骨痛のページも参考にできます。

④仙腸関節の痛み
別のページにて解説しております。
こちらをご覧ください。