仙腸関節の痛み

仙腸関節痛・仙腸関節炎

#はじめに
仙骨は骨盤の後ろ側、中央部にある逆三角形の骨で、だいたい手のひらくらいの大きさです。仙骨外側の上側部分、つまり逆三角形の左右上角の部分は、仙骨と骨盤(腸骨:いわゆる腰骨(こしぼね))との接合点になり、「仙腸関節」と呼ばれています。仙骨は背骨の起点(土台)の骨であり、背骨に支えられる上半身の重さは仙腸関節の部分で仙骨から骨盤に移行され、さらに両足へと伝えられます。何らかの原因で、この仙腸関節の部分に無理な力がかかると、仙腸関節の炎症や痛みが発生する場合があります。特に左右の仙腸関節のどちらかに負担が偏ってしまっている場合で、炎症や痛みが引き起こされやすくなります。

仙腸関節痛・仙腸関節炎と針灸療法

仙腸関節の痛みは、左右のどちらかに強く現れることが多いです。これは、左右不均等に負担が偏った結果、痛みが発生しやすいためであると考えております。従って、その調整は仙腸関節部にかかる負担が、なるべく一方に偏りすぎないよう体幹部などのバランスを調整することがポイントであると考え、主に関連する筋肉などの施術・調整を行います。

仙腸関節にかかる負担として挙げられるのは、上半身からの荷重や、動作による負担です。
【上半身からの荷重による負担】
 人体にとって、仙骨は起立時に上半身から下半身に荷重が移行される重要な部位です。バランスのとれた状態では上半身からの荷重は仙骨部で左右均等に振り分けられ、股関節を介して下半身へと移行されます。ところが、何らかの理由で上半身のバランスが乱れ、仙骨部への荷重が偏ってしまっている場合、その偏りに応じて、左右どちらかの仙腸関節は過剰な負担を受けることになります。そして、その負担が許容量を超えてしまったり、長期間に負担を受け続けたりすると、仙腸関節部の痛みが生じることになります。上半身からの荷重の偏りについてですが、左右どちらかにバランスが偏っているなど、上半身の姿勢が悪いことが片方の仙腸関節に集中した負担を強い、痛みを生じさせる原因になります。
「例1」
仕事はデスクワーク。普段から座っている姿勢は良くない上に、足を組むクセがある。
→上半身のバランスが乱れ、更に足を組むことで左右の骨盤バランスが均一でなくなってしまうので、片方の仙腸関節にかかる負担が大きくなってしいます。
「例2」
仕事の資料などの入った重いカバンを持ち歩くことが多い。いつも片方の手で持っていることが多い。(または片方の肩に掛けていることが多い)
→カバンなど、重い荷物を片方の手や肩で持ったり掛けたりすることが多いと、荷重の偏りで、仙腸関節部分にも偏った負担が集中し、仙腸関節を痛めてしまったようです。
【動作による負担】
仙腸関節は、身体をねじった際にも負担がかかります。ただし、通常の状態で普通に身体をねじっても仙腸関節を痛めるようなことはないのですが、何らかの理由で身体が固くなっている時や、身体を前に傾けながらねじるなど、仙腸関節の負担が増大してしまうような状況で、仙腸関節の痛みが引き起こされると考えます。また、身体のバランスの乱れによって、上半身の姿勢を普通に保持しているつもりでも、無意識に身体がねじれているようであれば、仙腸関節はよけいな負担を受け続け、それが痛みの元にもなります。身体を左右どちらにねじった際に仙腸関節の左右どちら側が痛むのかで状態を判断します。
「例3」
休日にゴルフへ。プレー中は腰の痛みは気にならなかったが、翌日に仙腸関節の部分が痛むようになった。
→まず普段の疲労や運動不足等で身体が固くなっていた可能性があります。その状態でねじれの力が強いゴルフのスイングを繰り返したため、身体全体で力を分散させることができず、腰(仙腸関節)の部分に負担が集中してしまったことが原因と考えられます。その他、長時間の移動、ウォーミングアップの不足、寒い天気など、血液循環が悪い状態であれば仙腸関節を痛める危険性はさらに増します。
「例4」
イスに座って接客しながらデータをパソコンに打ち込むため、パソコン画面の位置が自分の斜め前にあり、データ入力の際は身体を斜め前に向けなければならない。このような状況が続いているうちに腰痛(仙腸関節痛)が起きてしまった。

→特に強く身体をねじったという自覚がなくても、このように長時間身体をねじった状態で作業するような状況では、仙腸関節にかかる「ねじれ」の負担が蓄積され、仙腸関節の痛みを引き起こされる原因となります。このような方の場合、普通にまっすぐ座っているつもりでも、身体が自然にねじれてしまっている場合が多いのも特徴です。その他、自動車の運転で、長時間崩れた姿勢を続けていると仙腸関節部分を痛めることがあります。
【ギックリ腰と仙腸関節】
「ギックリ腰」を訴えて来院される方の中には、仙腸関節を痛めている場合があります。痛みを特に感じる位置や、痛みやすい姿勢・動作などで鑑別し、施術調整します。また、ぎっくり腰を発症し、急性期を過ぎた後でも仙腸関節の痛みが残ることがあります。このような場合は、仙腸関節に負担がかかるような身体のアンバランス状態が残っているためだと思われますので、それを調整するよう施術を行います。

参考→ぎっくり腰

 

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