ねんざ・肉離れ


外傷・スポーツ障害によるねんざ・肉離れと治療について。


靭帯(じんたい)や筋肉などの運動器官に無理な力が加わった結果、
それらの組織が損傷(受傷)した状態をそれぞれ
ねんざ(=靭帯損傷)、肉離れ(=筋肉の損傷)といいます。
特に損傷(受傷)の直後はその部位が炎症を起こし、
腫れて熱を持ち、ズキズキと痛む場合があります。
組織の損傷というとあまりイメージが湧きにくいかもしれませんが、
簡単に言いますと靭帯(じんたい)や筋肉の一部が傷つき、
場合によっては、ちぎれている状態といえます。
日常生活やスポーツでねんざや肉離れを起こしてしまった直後に必要なのは、まず安静にするということです。
よくねんざや肉離れをした直後に痛めた部分を何度も動かしたり、力を加えたりして本当に傷めてしまったか確認する人が多いですが、
確認の動作は基本的には傷めている部分に追い打ちで負担をかけることになりますので、やりすぎますと傷めた組織の傷を更に広げてしまうことにもなりかねません。
ですので、捻挫や肉離れをしてしまったのであれば、確認は最低限にして、
なるべく傷めた部分に負担をかけないよう、安静にするのがベストです。
また、テーピングや包帯、サポーターなどで固定できますと更に良いです。
ねんざや肉離れをしてしばらく時間が経つと、
痛めた部分が赤くなったり、熱を持ったりしてくる場合があります。
これは痛めた組織が炎症反応を起すからです。
そのような場合は痛めた部分(熱を持っている部分)を冷やした方が良いです。
また、ねんざや肉離れの際には痛めた部分が内出血を起したり、腫れてくる可能性がありますので、
安静の際には痛めた部分を心臓より高い位置に挙げておくと良いとされています。

 

#捻挫(ねんざ)、肉離れと針灸治療

⇒なかなか治らないねんざ・肉離れへの対処
時々電話で「ねんざ、肉離れをしたがどうしたらよいか?」という相談を受けますが、まずは上記の応急手当法を実践していただくのがベストだと思います。
【但し、骨折の心配があったり、靭帯(じんたい)や筋肉が断裂している心配のある場合には整形外科の速やかな受診をおすすめしています。】
ねんざや肉離れは靭帯や筋肉などの組織の損傷による障害ですから、
例えれば皮膚の切り傷が自然にくっ付いて治癒するように、
靭帯や筋肉も大きな断裂さえなければ時間の経過と共に自然に修復され、治癒へと向かっていくはずです。
しかし、
それほどひどいねんざや肉離れでなかったにも関わらず、通常ならとっくに完治してもおかしくない期間が経過した後も、ねんざや肉離れの部位に痛みや腫れが残ってしまう場合が少なからずあります。
また、
『特に思い当たる外傷(ケガ)が無い』もしくは『ちょっと足をひねっただけ』など、ほんの些細(ささい)な事がきっかけとなって

〔ねんざ〕、〔肉離れ〕などが発生し、
それがなかなか完治せず、痛みをいつまでも引きずってしまう場合もあります。
ねんざや肉離れの治療で当院を訪れる方々のほとんどは、このような

ねんざや肉離れが『なかなか治らない、治りきらない』というケースです。
そしてこのようなケースに対して針灸療法は非常に有効であると考えております。
上述いたしましたように、ねんざや肉離れによる靭帯や筋肉の損傷は極度のものでない限り、切り傷などと同様、本来であれば自然に修復され、回復するものです。
しかし、修復されるべきものが修復されず、いつまでも引きずってしまうというのは自然修復を阻害する要因があるからということが考えられます。
その要因としてまず考えられるのが、
傷めた関節・筋肉に大きな負担をかけるような作業・運動などを行い続けている場合です。
これはテーピングやサポーターなどで痛めた関節や筋肉を保護するなどして、
作業や運動の際にねんざ・肉離れ部位の負担をなるべく軽減させる必要があります。
そして傷めた部位になるべく負担をかけないようにしているにも関わらず
ねんざや肉離れがなかなか治らないという場合には、
『自分自身の身体のどこかに、ねんざや肉離れの部位に負担をかけてしまう要因がある』という事が考えられます。
ねんざや肉離れがなかなか治らない人の状態をよく調べますと、ねんざや肉離れを起した部位や、その周囲の筋肉が緊張し、硬くなり、柔軟性を失っている場合が多いようです。
そして、その筋肉の緊張は痛めた部位の周囲だけでなく、
離れた部位の筋肉まで広範囲で柔軟性を失っている場合もあります。
例えば、足首のねんざの場合ですと、
足首を動かすための〔すね〕や〔ふくらはぎ〕の筋肉が硬くなっている場合が多いのですが、れ以外でも〔ふともも〕や〔おしり〕、更には〔腰の筋肉〕まで柔軟性を失っている場合がよくみられます。
〔すね〕や〔ふくらはぎ〕の筋肉が柔軟性を失っている場合、
それが足首の運動性(柔軟性)を制限し、
結果的に痛めた靭帯への負担を大きくしていることになります。
〔ふともも〕や〔おしり〕、〔腰の筋肉〕が硬い場合、
下半身を使った運動や動作の際、
本来それらの部位で負担されるべき負荷が、最終的に足首の関節や足首を動かす筋肉の負担として余計にかかってしまうため、
結果的に靭帯の速やかな修復を妨げていると考えることができます。
また、
なんでもないような動作やアクシデントでねんざや肉離れが起こってしまうような場合は、
上述した筋肉が元々から慢性的に硬く、柔軟性を失ってしまっていた可能性があり、それが靭帯や筋肉に恒常的に集中的な負担をかける状態となって、
損傷が起こりやすくなっていたと考えられます。


このようなケースに対して、

針灸療法は緊張して硬くなっている筋肉を緩め、
その筋肉が本来負うべき負担を十分担えるような状態にします。
また、傷めた部位に直接関係する筋肉の緊張を緩めることで、
傷めた部位に直接かかっていた負荷を軽減させ、
損傷している靭帯や筋肉の修復を助けます。
また、一連の筋肉の緊張状態を改善させることで
傷めた部分につながる一連の血行を改善させることができますので、
そのことでも損傷部位の修復を助けることができます。
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