骨盤底部の痛み

骨盤底部の痛みと針灸療法

◎骨盤底とは?
骨盤内部はちょうどお釜のような形をしておりますが、お釜の底に当たる部分は骨で覆われているのではなく、筋肉・靭帯などによって膜状に覆われております。これが骨盤底です。骨盤底の筋肉・靭帯は、内臓の重さ、せき・くしゃみ、排便時、重いものを持ち上げる際にかかるの腹圧など、骨盤内部からの圧力を支えています。

骨盤
骨盤
骨盤底と骨盤底筋群
骨盤底と骨盤底筋群(図の上部が腹側)

◎骨盤底の痛み

骨盤底部分が何らかの原因で痛みや違和感を起こすことがあります。この痛み・違和感の原因については様々ありますが、主に3つ挙げますと・・・
①内臓の問題
内臓の病気等で骨盤底部に痛み・違和感が生じることがあります。心当たりのある場合はまずは泌尿器科・婦人科・消化器科などの各科を適宜受診し、問題があれば適切な処置を受けられることをお勧めます。

②出産・穿刺検査(生検)・手術・外傷(ケガ)などによる損傷等が元となって生じ、後遺症のように残る痛み・違和感
発生直後であれば医療機関における適切な処置や指示を受けるべきでしょう。後遺症(慢性化)的な痛み・違和感については、程度等によりますが当院において対応可能な場合もあります。

③原因の特定できない骨盤底の痛み・違和感。
内臓疾患・外傷などの思い当たる原因のない場合の痛み・違和感です。痛み・違和感は骨盤底部全体、または左右どちらかに偏っている場合があり、場合によっては肛門周囲や、肛門の前の会陰部と呼ばれる部分が痛いと感じることもあります。当院で対応可能な場合がほとんどなので、まずはこの場合についての原因、施術について解説をいたします。

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◎当院における骨盤底痛での来院者。
これまでの臨床経験により、骨盤底および会陰部、肛門部の原因不明の痛みに悩み、病院など行き場がなく困っている人は多いと思います。ただし原因不明といいましても、内科、肛門科、婦人科、泌尿器科などの各科を受診しても痛みの原因に相当する病変等が見つからないか、有っても軽レベルのものであるため、痛み・違和感について原因不明とされている場合がほとんどです。

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◎骨盤底の痛み・違和感の原因と鍼灸施術
骨盤底の最深部には骨盤底筋と呼ばれる筋肉群が膜のように広がり、内臓の重さや腹圧などを常に支え続けています。そして原因のはっきりしない骨盤底の痛み・違和感の発生にはこの骨盤底筋が関わっていると考えられます。
骨盤底筋は骨盤の底を囲うように形成する恥骨(左右)・坐骨(左右)・尾骨(中央)から、
肛門・膣・尿道の周りにかけて膜を張ったようにつながっています。また、骨盤部(おしり)全体の構造に目を向けますと、骨盤部(おしり)の筋肉は幾層かに重なっており、特に深層に分布する細かい筋肉は、股関節を様々な方向に動かしたり、骨盤を安定させるために働いております。

そして、骨盤底の痛みで来院される人は、これらの筋肉が部分的、または全体的に緊張・硬化した状態にある場合がほとんどです。そして、これらの筋肉の緊張・硬化をゆるめると、比例して骨盤底の痛みが改善する場合が多いため、これが骨盤底の痛みに関係すると当院では考えます。

この骨盤部(おしり)深層の筋肉は位置的にも骨盤部(おしり)の下半分にあって、骨盤底を取り囲むような構造となっています。そして、ちょうどゴムバンドで骨盤底を包み込んで支えるように、骨盤底筋の働きを補助していると考えられます。例えば肛門のみをキュッと締めるように意識した際に働く筋肉が骨盤底筋で、おしりの溝を合わせるようにおしり下半分にギュッと力を入れた際に働く筋肉が、上記した骨盤底筋を補助している筋肉と考えれば分かりやすいでしょう。その骨盤底を補助する筋肉が、なんらかの原因で緊張・硬化して骨盤底筋の働きを十分に補助できなくなった結果、そのしわ寄せとして骨盤底筋にかかる負担や物理的刺激が増すと、骨盤底筋が緊張し、骨盤底部・肛門部・会陰部の痛みに結びつくのではないかと当院では考えております。

従いまして、骨盤底部の痛みを好転させるためには、まずは骨盤底を包み込む骨盤部(おしり)の筋肉の緊張・硬化をゆるめ、骨盤底筋への負担・刺激を軽減させる必要があると考えております。

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◎3段階の施術:痛みの好転~再発予防まで。
【第一段階】骨盤底部周囲の緊張をゆるめ、骨盤底部の痛みを和らげる。
骨盤底筋の働きを補助する骨盤下部の筋肉の緊張(硬さ)を緩め、骨盤底を周囲からしっかり支えることにより、痛みが緩和するよう施術します。

【第二段階】骨盤部全体および骨盤につながる筋肉の緊張をゆるめ、骨盤のバランスを整える。
骨盤部(おしり)の下半分に限らず、骨盤(おしり)全体の硬さ、腰部や大腿部(ふともも)などの骨盤部につながる筋肉の緊張(硬さ)を緩め、骨盤全体のバランスを整えることにより、骨盤底部への負担を軽減させます。

【第三段階】姿勢(体幹)のバランスを整える。
この段階まで来たならば、骨盤底部の痛みはかなり落ち着いていると思います。主に姿勢のバランスを整えて、骨盤・骨盤底部に負担のしわ寄せがかかることを防ぎ、骨盤底部の痛みの再発予防をします。

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◎針灸の施術に際して
施術時、お尻全体を露出させる必要は特にありません。骨盤底部痛の施術は骨盤の底につながる筋肉の調整を主な目標にしておりますが、実際に施術を加える場所は、殿部全体の筋肉(骨盤や股関節を支持する筋肉)を対象としておりますので、ズボンなどの上か下を半分ずらす程度の露出でお願いしております。通常は側臥位(横向き)or伏臥位(腹ばい)の態勢で殿部の施術を片方ずつ行います。従って、緩めの半ズボンやスパッツなどを持参いただけますと施術がやりやすくなります。なお、着替えの用意がない場合は当方でも用意してありますので、ご安心ください。

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