①はじめに:肩こりを治せたら一人前?

私がこの道(業界)を歩み始めて間もない頃に出会ったある言葉は、後々まで深い印象を与え続けました。


【肩こりを治せれば一人前の治療師だ。】


『肩こりを治せる技術が身に付けば、とりあえず治療師として食っていける。』


誰もがきっとそう思うでしょう。
「世の中にはこれだけ肩こりの人が多いのだから当然だし、肩こりが治せるのは治療師としての最低条件。」
確かにその通りです。


ところが、実はこの言葉の真意は、
『肩こりの治療はそれだけ奥が深く、難しい』
ということであるのです。


例えば、同じ「肩こり」であっても人によって首の凝りがひどかったり、
肩甲骨の間のだるさを「肩こり」として訴える人もいます。
また「肩こり」の類いでも「寝違(ねちが)い」のように急性のものもあります。


「肩こり治療」は訴える部位や状態の違いによって、その手順が変わります。
ですから、同じ「肩こり」でも、その状態を把握してそれにあった対処を的確にすることが「肩こり」治療で一番大切なポイントです。


もし、「肩こり」の治療がごく簡単なものであれば、多くの人は、様々な肩こり解消法を自分で試したり、何軒もの病院や治療院を渡り歩たりする必要はないはずです。


それなのに現実に、様々な解消法を試したり、何軒もの治療院を巡ったりする人が多いのは、それだけ「肩こり」の治療は難しいものだということを表しています。


従いまして、良い治療院を見分けるひとつのポイントは、「肩こり」をしっかり治してくれるかどうかにあると思います。


「肩こり」治療がしっかりできるということは、
身体の状態をしっかり把握した治療ができるということです。


すなわち、治療師としての基本がしっかりとできていなければ、効果的な「肩こり」の治療を行うことはむずかしく、また、「肩こり」の治療がしっかりできれば、基本はしっかりと抑えているということですから、他のどのような症状であっても堅実な結果を望むことができると考えています。


しかしながら、
一人一人の肩こりにどのような特徴と治療手順があるのか、この場ですべてを述べるのは非常に難しいと思います。
そこで、ここでは肩こりとその治療について、私が普段感じていることや、経験したことなどを箇条的に述べていくことで、少しでも皆様の参考になればと思います。


《もくじ》
①はじめに
肩がこるのはどこ?・・・「肩」の役割から考える肩こり
肩こりは「気のせい」?
手の届かないコリ:肩こりの根っこ

肩こりと土台