手の届かないコリ:肩こりの根っこ

*繰り返す頑固な「肩こり」
肩を強くもんでもらっても、こった部分に刺激が届いている感じがあまりない。』
『せっかく一生懸命に肩をもんでもらったのに、次の日にはまた元の木阿弥。』
上記のような場合、肩こりの根本になる「コリ」が、「手の届かない場所」に隠れてしまっているかもしれません。「手の届かないコリ」それはすなわち、「肩こりの根っこ」と考えてもよいでしょう。

では、「手の届かないところ=肩こりの根っこ」とは一体どこにあるのでしょうか?
 肩こりの「根っこ」が抜けきらないと、肩こりが十分に解消されないばかりか、残った「根っこ」から再び雑草が生い茂ってくるように、短期間で肩コリが元に戻ってしまうことも少なくありません。多くの場合、肩こりの「根っこ」は肩甲骨の内側で、やや骨の裏側に入り込んだ部分に付着するように存在します。そして、この部分は、表面から押したり、もんだり、たたいたりしても、なかなか刺激が届きにくいのが特徴です。まず、指で肩甲骨の裏側を押そうとしても、骨が邪魔をするので力が十分に届きません。だからと言って、骨の上から押しても、コリの根元は骨の裏側なので、十分な効果は期待できません。また、指を肩甲骨の裏側にねじ込むのも、容易なことではありません。
さらに、時には、「肩がこった感覚」は強いのに、実際にもんでもらうと、あまり肩がこっていないように言われることもあります。これもコリの「根っこ」が骨の裏側に隠れてしまって、表面的にさわっても、実際にこっている部分には手が届かないので、「こっていない、気のせい」などと言われてしまう原因にもなります。
*「根っこ」ができる理由
では、なぜ、肩甲骨内側の裏側が、肩こりの「根っこ」になるのでしょうか?
それは、背骨と肩甲骨をつなぐ複数の筋肉が、肩甲骨の内側に付着しているからです。
それらの筋肉は、肩甲骨の重さを支える役割もしており、結果、肩甲骨につながる腕の重さをも一緒に支えることにもなります。よって、パソコンやスマホなど腕を使う状況などで、常に持続した負担がかかりやすく、慢性的なコリ、すなわち肩こりの「根っこ」が形成されやすいと考えています。
また、背骨(特に頚椎)と肩甲骨の内側をつなぐ筋肉は、背骨(特に頚椎)を支持する役割も担っております。例えば、デスクワークなどで、首を前方に傾けている時、頚椎と肩甲骨をつなぐ筋肉などが、肩甲骨を起点に働いて、頭や首が前に倒れ込まないように、重さを支えています。つまり、肩甲骨の周囲は、頚椎を支え、安定させるための「土台」であると言うことができます。
よって、首に負担のかかりやすい動作や作業を行っている時には、肩甲骨の内側・裏側に負担がかかりやすく、慢性的なコリ「肩こりの根っこ」が生じやすいと考えています。
*肩こりの「根っこ」を施術する。
針療法は、この肩コリの「根っこ」に対して、特に効果的な施術を行うことができます。なぜなら「針」という道具には、指のような「太さ」がないためです。そのため、コリの根っこを正確にとらえるための的確な操作ができれば、骨の内側に入り込んだ部分でも確実にほぐすことができます。
更に、「根っこのコリ」をゆるめることができれば、「手の届くコリ」に対する効果も高まると同時に、継続した効果も期待できるようになります。
また、「手の届かないコリ=コリの根っこ」施術していると、根っこが徐々に浮いてくるような感じで「コリが肩甲骨の中から表側に出てくる」ような経過をたどることがあります。
このように、「手の届かないコリ⇒手の届くコリ」へと変化を起こすことができれば、ストレッチや体操、マッサージなどの自己ケアの効果を高めることも可能となります。